本編
#6906
何気なく足を踏み入れた路地裏で、青年は、奴隷として売り出される少女と出会う。 虚ろな目で地面に座り込む少女を見過ごすことが出来ず、青年は、少女へと手を差し伸べた。 少女に己の悲惨な過去を投影した青年は、少女に生きる術を教えることを決意し、 何一つ持たない少女は、戸惑いながらも師弟関係を受け入れた。 「どうして、そこまで、してくれるんですか?」 「一人で住むには、この家は大きすぎるからな」 心を閉ざした少女と孤独な青年が織りなす、不器用な共同生活。 それは、過酷な環境にいた少女にとって、驚くほどに穏やかなものだった。 青年の優しさに触れる度に凍てついた心が溶かされることを 少女は、次第に意識するようになっていく。 最強であるが故に人から外れた青年と、最弱であるが故に人から外れた少女。 相反する孤独な点は手を取り合い、やがて、それは線となる。
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