主版本

#1295
無邪気な日々の終わり...。 主人公,郁美の元に6年ぶりに帰ってきた母。 だが安らかな日々は長く続かない。 怪死を遂げる母。 悲しみをふっきるために,郁美は母がいた宗団 “FARGO”の隔離施設へと潜入する。 だがそこは,心の奥底の痛みと邂逅する場所であった 郁美はふたりの仲間とともに,施設での過酷な生活の中, 真実を追い求め始める。 すべてを知ったとき胸に抱いているものは, 始まりか,それとも終わりか それぞれの痛みを抱いて, 戦い続ける少女たちの,長い旅の始まり....。

#1322
とても幸せだった… それが日常であることをぼくは、ときどき忘れてしまうほどだった。 そして、ふと感謝する。 ありがとう、と。 こんな幸せな日常に。 水たまりを駆けぬけ、その跳ねた泥がズボンのすそに付くことだって、それは幸せの小さなかけらだった。 永遠に続くと思ってた。 ずっとぼくは水たまりで跳ねまわっていられると思ってた。 幸せのかけらを集めていられるのだと思ってた。 でも壊れるのは一瞬だった。 永遠なんて、なかったんだ。 知らなかった。 そんな。悲しいことを僕は知らなかった。 知らなかったんだ…。 「えいえんはあるよ」 彼女は言った。 「ここにあるよ」 確かに、彼女はそう言った。 永遠のある場所。 …そこにいま、ぼくは立っていた。

#24454
夏の訪れと共に賑わいを見せる、海沿いの小さな街。 僅かに潮の香りが残る…そんな街で俺は、ひとりの少女と出会った。 少女の名前は、すず。 それは別に、特別でも何でも無い、ごくありふれた人と人との出会い。 でも、その小さな事件が、いつものように退屈な夏を、一生忘れることの できない、かけがえのない季節に変えてくれる… …なんとなく、そんな気がしたんだ。

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