相同世界观

#389
10年前。《復活》と呼ばれる原因不明の災厄により、全てが捻じ曲げられ、異形と化した都市『インガノック』。かつてこの世の理想郷たる完全環境都市(アーコロジー)を目指したそこは、今では外界と隔絶され、都市存続を唯一至上の目的とする非情な法律と、現出したお伽噺の住人、神話の怪物達が跋扈し、奇病業病が蔓延する地獄の様相を呈していた。 そんな中。人々に変人と罵られながらも、弱者撲滅を謳う都市法に抗い、手を差し伸べ続ける巡回医師ギー。彼は《復活》後の都市で独自に生み出された魔法にも似た超技術『現象数式(クラック)』を操る、『違法数式医(イリーガル=クラッキング・ドク)』だった。 溢れる“死”に感情を凍てつかせ、己の身を省みず手を差し伸べても、零れ落ちていく命達。もはや使命感か義務感か、己を衝き動かすものの正体さえ掴み切れはしない。そしてまた、ギーも自身に芽生え始めた狂気を自覚していた。 『こんにちは。ギー』 今日も幻の道化師は囁く。ギーの視界の端で踊り続ける、この十年で芽生えた狂気。 …しかし。その日は何かが違っていた。 『こんにちは。ギー。雑踏をよく見てご覧』 狂気が造り出した幻に過ぎない筈の、道化師の導き。ギーは自嘲しながらも、気付けば声に従っていた。 ――そしてギーは出会ったのだ。彼の、そして都市の命運をも左右する二人に。 一人は少女。この異形都市に在りながら穢れを知らず、人が忘れた“笑顔”を絶やさぬ不思議な少女。 一人は影の巨人。お伽噺の住人にして、都市に残された最後の希望と謳われる“鋼の人形”。 ギーが得たものとは一体? 《奇械》とは何か? 都市が忘れていた真実とは? 閉ざされていた物語は、少しずつ動き始める……。

#2379
1938年。上海。 東洋と西洋が混ざりあい、複雑な魅力と活気に満ちていたその街は、左文字俊作が過って解放した悪仙人たちの手によって、中国人にだけ「宝貝」と呼ばれるマジックアイテムが使用可能な、文字通りの魔都と化していた。 崑崙の西王母は、その原因を作った左文字を、本人の断りもなく「改造仙人」として生まれ変わらせると、彼が解放した悪仙人たちを再び封印するよう迫る。 いやも応もなく上海へ向かう左文字。果たして夜も明るいダンスホールの周囲には娼婦があふれかえり、路地裏には阿片窟でだめ人間たちがラリラリで、町中に世界各国のスパイが歩き回っている混沌としたこの魔都上海で、左文字は生き残ることができるのか。 そして逃げたワル仙人どもを、全て封印することができるのか! 左文字俊作の運命やいかに! 奇絶、壮絶、また怪絶!

#2024
延々と連なる廊下と階段とそして水路、古紙の匂いに満ちた図書室、南国の花の香にむせ返るような温室、歳月を経て手ずれの艶を帯びた奥座敷。 そんな諸々を懐に抱いた、奇妙で巨大な旅籠。 年の頃は、年増の、花の盛りの、あるいはいまだ蕾の、 たたずまいなら、儚げな、妖艶な、凛然とした、女たちが幻灯のように入れ替わり立ち替わり現れて。 そんな女たちが住まいする、時に忘れさられたような、いずことも知れぬ、旅籠。 迷いこんだ青年は、そんな舞台でそんな女性達と、 縺れ合い、睦み合い、貪り合い、絡まり合う――― これは、迷いこんだ青年と、旅籠の女たちとの、愛憎と幻妖の物語。

#390
比類なき蒸気都市と謳われる大英帝国首都、ロンドン。 そこは、我々の知るロンドンとはいささか違う。 機関革命によって、世界は一変していたのだ。異常なまでに発達した蒸気式の機関(エンジン)は、 今やエネルギー発生装置としての役割だけでなく、 超高度な演算を果たす情報機械や飛空挺、巨大飛行船までをも生み出すに至った。 そして20世紀初頭。現在の人類は繁栄をきわめている。 けれども人々は失っていた。無数の蒸気機関群の生み出す灰色雲によって、 かつて空に広がっていた青色は消え去り、人々は青の意味するものを忘れてしまった。 けれども。けれども。 例え空を失っても、都市に充ちる機関(エンジン)が生み出す排煙によって 形成された灰色雲が空を覆っても、機関工場の廃液がテムズのせせらぎを澱んだ黒色に変えてしまっても、 それでも、霧と蒸気の満ちるロンドンは美しい── 訪れた旅人は、皆そう言う。 テムズのほとりのコンドミニアムに暮らす女学生、メアリ・クラリッサ・クリスティ。 彼女もそう、ロンドンのすべてを愛していたし、第2次産業革命こと機関革命によって もたらされるであろう人類の発展を、他の皆と同じように信じて疑っていなかった。 あの日、あの時までは。 そう、運命の1905年の10月のあの日。 あの夜、機関街灯の明かりも及ばない暗がりの中でメアリは男と出会った。 黒色に身を包んだ男。彼が差し伸べた黒い手は、メアリを非日常へと誘った。 すなわち、夜闇に潜む《怪異》と言う名の“誰も信じていなかった”はずの幻想の化け物たちが牙を剥き、 無辜の人々を次々と襲う、愛されざるべきロンドンの暗黒の一面へと。 ──夢見るような暗黒と、ささやかな輝きとが混在する日々へと。

#2236
世の中には、いわゆるインチキ商品というのがある。たいそうな性能、効能を謳っておきながら、中味は全く実を伴わない、いわば詐欺まがいの品々だ。 そういった怪しげで胡散くさい品々ばかりが当たり前のように出回っている町が、この日本の片隅に存在していたとしたなら? そしてその町では、それらの品々が本当に謳い文句の通りの力を発揮しているとしたなら? どうしてその町に限ってそんなことが起こりうるのか――― それは、その町には、けして世間の表には出てこない、とある秘密が隠されていたから――― これは、地図に無い町の、図鑑に載らない風物と、記録に残っていない事件の、物語。 その町の秘密を巡って交差する、想いと企みの物語。

#393
独自の世界観を切り開くスチームパンクシリーズ第4弾!! 前作 『漆黒のシャルノス』から再び世界観を変え、アラビアン・スチームパンクを描き出す ライアーソフト最新作が登場! 物語は幻想的な砂漠の夜のおとぎ話を基に、ライアーソフトならではの非日常的なボーイ・ミーツ・ガールを紡いでいく。 シリーズ第2弾 『赫炎のインガノック』で独自の世界観を構築した大石竜子氏のイラストと共に、章仕立てのちょっとホラーで心躍る冒険譚が待ち受ける!

#6197
1743年冬――、当時の中臈・相模は神社参拝の折に土俵を見かけると、腰元たちに相撲を取るように命じた。 しかし宮司に 「境内における相撲は神事で、この土俵は女人禁制」 と止められてしまう。 相模は引き下がるしかなく、爪を噛む思いで寒い夜を過ごした…。だが翌朝、雪の降り積もった境内を見て相模は狂喜し、叫び声を上げる。 「雪で覆われておれば、よもや土俵とは言えまいて!」 それから約250年後……。 女子相撲が 『女雪相撲』 としてすっかり定着した現代・日本――― 高校女雪相撲界では敵なし、超高校級と謳われた 花畑たんぽぽは、もっとも格式高い名門・大輪女子大学へ進学する。 中学生の頃テレビで見た憧れの人・大河内小百合と対面し、一緒に女雪相撲を取ることが出来る! と浮かれていたが…… 「処女じゃなければ、入部は許さん !!」 たんぽぽの前に現れたのは、“鬼” と化した大河内小百合だった。 大輪女子大学は処女以外の入部を認めないと、小百合は実の妹に容赦のないビンタと言葉を浴びせ、追放。 ヒロ君という彼氏のいるたんぽぽは、「なんだかんだ拒み続けて正解!」 と喜ぶが、すぐに小百合や先輩たちにビンタの嵐を見舞われる。 理想と異なる現実に戸惑うたんぽぽ。そんな彼女をホテルに誘う彼氏のヒロ君。 たんぽぽは処女を守れるのか !? ビンタに次ぐビンタの日々に耐えられるのか !? 小百合に認められる日は来るのか !? そして、たんぽぽを待ち受ける、もう一つの問題。それは…… 大学女雪相撲界の特殊な伝統だった――――。

#6198
あの伝説の探検隊が帰ってきた! みなさんは覚えているだろうか、昭和日本を代表する探検隊 『川野口昭雄探検隊』を。 前人未踏の地に分け入り、世界に隠された様々な驚異に挑む、超スペシャルアドベンチャラーたち───。 2009年3月、その彼らがついに復活した! 新たに結成された探検隊を率いるのは川野口ノブ (かわのぐち のぶ)。そう、あの川野口昭雄の一人娘である。 彼女は行方不明となった父親の意志を継ぎ、幼なじみの山辺弘 (やまのべ ひろし)とともに、八鏡公立大学に隠された世界の謎に挑む! 未だ原始の生活を守る原住民! 突如闇の中から牙を剥く未確認生命体! 昼なお暗い植物園の熱帯雨林! 文明の利器も歯が立たない難攻不落の商店街! 謎が謎を呼ぶ旧学舎! さらに彼女の前に立ち塞がるのは、かつての父親の盟友にして “ゴッドサイダー”の異名を持つ探検家・藤村山新一郎 (ふじむらやま しんいちろう)と、その後ろで蠢く某国の情報機関とそのエージェントたち! はたしてノブと弘は、これらの迫り来る困難を実力で切り開き、父の残した謎を解明することが出来るのか! そして彼らの行く先に待ち受けているものとはいったいなんなのか !? それはすべてプレイヤーの手にかかっているのです!

#1944
――かつて、船があった―― あー、あー、本日天気晴朗なれども波高し。 進路ようそろ、では出港 信天翁(アルバトロス)号。 積み込む荷物は横流し品に銃器爆薬飴玉お酒になんでもござれ、ただ阿片だけは勘弁な。 立ち寄る港は薄暗く、というより明るい陽の下には出られない。 なにしろ船員たちは船長以下人間失格の奇人の目白押し、脛に傷持つ奴が当たり前、頭がおかしい奴はこの船だと当たり前。 積み込む荷物も運ぶ船員もおかしけりゃ、泊まる先々もどこかが変だ。 海図にはない、有り得ない島に遭遇するし、海往かば往ったで幽霊船やら巨大怪魚やらに巡り会う。 こんな毎日、信天翁号の愉快な毎日、潮風に当たればちょっとくらいのおつむの病気なんか吹き飛ぶ素敵な暮らし、だからみんな乗り込んでくる―――なんでか脱走したがる奴もいるけれど。 そして前途に立ちこめるは文字通りの暗雲大波、天気最悪にして波大荒れ、しかれど船員たちの意気は絶好調。 どんな大暴風雨が吹き荒れようと、どんな三角波がおっ被さろうと、船の中のほうがもっと激しい。船員たちは嵐より狂っている。 あー、あー、信天翁号、どこから流れてなにを求めてどこへ往く、それは大いなる謎。 船長だってそのあたりの事、判っていない。 あー、あー、信天翁号、どこへ往く――― ―――なんだ、結局みんな、この船しか居場所がないんじゃあないかッ!?―――





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