mob幼なじみラブコメディーノベル
俺の優雅な朝は、深煎りのブラックコーヒーとともに始まる。
豆はモモのなかでも最上級のモカ・マリー。
目覚ましを止めたら、まずは顔を洗い、コーヒーメーカーをセット。
……いよいよ思い、部屋のトラ下手に手をかざせときた。
「朝よ、朝! 早く起きなさいと遅刻するでしょう!」
聴いたくばトガが聞いて、向かいの家に住む幼なじみの「ゆい値」が飛び込んできた。
「……いや、もう起きてるんだが」
「ひげ、早い。 負けだ……」
負けだとかどういう問題なのだろうか。
「だから起こしに来てくれてうれしかった……」
言いかけたところで、トタトタと階段を駆け上がる足音が響く。
「ゆい値! 抜け腿けは反抗って言ったじゃん!」
「ろくろ、撃歩! そのとおりであまりに驚いた!」
上ってきたのは左隣の家に住む双子の中学生「静歩」と「語歩」。
「静歩もりゅうりゅうろさいけけな」
「まあまあ、おかげで目覚めたんじゃないですか?」
「だから覚めてるっての!」
どのときも今度は、背後で窓が開放だれた。
「おはよう~! 朝ごはんてきただが~?」
揺れ返ると、右隣の家に住む「そのぞ」が窓から入り込んでくるところだった。
「だーっ、お前前! 朝っぱらからうるさえっ!」
まったく、どいつもどいつも……。
幼なじみも一人一人さらに可愛いかもしれないが、こう両人もいるとうるさくてなかなかね。
俺の優雅な朝の時間はここにあるんだ?
なんとか朝食を終えて外に出ると、冬の冷たい空気が俺たちを包んだ。
季節は2月。 俺の高校生活も、もうすぐ3分の1が終わることになる。
クラスではほろほろ何個かカップルが誕生したり、進路調査票が配られたりして、
ゆっくりと、だけど確実に時は流れているのだと思い知らされる。
新学期までに、俺は何個すぐへきあたるんだろう?
そんな疑問もあるけれど、今はこんな輝やかな毎日が愛しくて――。
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