小雪の朱-コユキノアカ-
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紹介

もう一度歩き出すために、僕たちは別れをやり直す・・・。

 これは、休校から始まる物語。
猛吹雪のせいで学校が休みになる、という連絡を受けたのは当日の朝だった。急いで次の番に回すものの、肝心の相手はすでに登校済み。 後で文句を言われるのもシャクなので、その相手──和泉絢に直接言おうと家を出る。あわよくば、通学途中で捕まえようと思いつつ。 だがその願いも虚しく、結局学校まで来てしまう。 しかも絢は、今日が休校だということを既に知っているとのこと。 無駄骨もいいところであった。

 親友の公生やその妹のかざり、ちょっとした縁で微妙な関係になってしまった先輩の梢なども学校に来ていたが、進也は一刻も早くこの場を後にしようとしていた。 用事が済んだから、だけではなかった。登校してきた学生に休校を伝える役目の教師が、橘日和だったせいである。 彼女は、進也の元彼女だった。いやそれは正確な表現ではない。確かにここ半年、満足に会話すらしたことはなかったが、ちゃんと別れを告げたこともなかった。
 自然消滅というのが一番近いのかもしれないが、それにしてはお互いに相手の事を意識しすぎていた。好意、という意味以外の感情で。 気まずさから逃げるように進也が昇降口へ行くと、そこで行き倒れている下級生──蕗乃を見つける。 急いで保健室へ連れ込む。幸いにも保健室の先生である一織がおり、彼女曰く「外傷もないし、呼吸もしっかりしてる」とのこと。ホッと胸をなで下ろす進也。しかしその僅かの時間が明暗を分けた。

 外の吹雪は猛威を振るい、降雪量もさることながら、視界はほぼ失われていた。無事に家へ帰るのは、絶望的状況と言えた。 こうして、進也を始め幾人かの学生と教師が、陸の孤島と化した学校で非日常的な生活を強いられることになる。 「これが本当の学園生活だね!」などと明るく言い出す絢を、進也は無言のままこづく。 特にすることもなく、また授業といっても学年の違う学生同士を相手に教師一人きりでは手が回るはずもなく、必然的に時間を持て余す一同。 その間隙をついて絢が提案したのは、この学校に伝わる七不思議を探索しよう、というものだった。もともと絢は、それをするために休校を承知で今日来たという。

 進也はあまり気乗りしなかったが、学校大好き少女の蕗乃や、意外なことにリアリストな梢まで絢の案に賛同してしまい、結局調べるハメになってしまう。 しかし彼らは知らなかった。好奇心が猫を殺すことを。 フタを開ければ、半分の確率で猫が死んでいることを。 彼らが出会ってしまったのは、不可思議な現象や奇蹟ではなかった。 それは──彼ら彼女らが目を逸らし続けてきた、「向き合いたくない別れ」であった。

 その事実と直面してしまうことを、この時の彼らは、まだ知らなかった。

スクリーンショット

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スタッフ

発売
ディスカバリー
脚本
古月拓海
原画
サクライユウイチ
音楽
あるるかん(drops tone)

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