前作
#504
――人は誰もがウソをつく。 自分を守るための嘘。 自分を否定するための嘘。 自分を誤魔化すための嘘。 自分であり続けるための嘘。 嘘にも種類があって、誰もが嘘をつく理由を持っている。 理由は分からない。けど、嘘をついているのは分かる。 そんな中途半端な能力を持つ少年・櫻井宗一郎。 しかし、その能力を得た代償は必要なわけで。 彼は能力を得た代償を支払うため、数々の依頼をこなし続けていく。 その結果、今では “学園一の問題児” と囁かれるまでになっていた。 そして月日は流れ――春。 出会いと別れが共存する、巡り合いの季節。 宗一郎は、“学園一の美少女” ともてはやされる少女・姫野桜月に呼び出される。 美女と野獣、そう評されてもおかしくない二人の立ち位置。 自分とは住む世界が違う―― そんな風に宗一郎は思っていた。 ――だけど。 緊張した面持ちのまま、桜月は自らの想いを告げる。 「好きです。 あなたのことが……好きです」 学園一の問題児 と 学園一の美少女 が織り成す、すれ違った恋模様 ――開幕。
同一世界観
#786
――いつからだったのだろう。 この焦がれた想いを抱いていたのは。 麻保志学園に通う水沢光一は、未だ初恋を引きずっていた。 それもそのはず。 その想い人は幼い頃からずっと傍に居るのだから。 ……その日は雨が降っていた。 光一は、義理の妹である 水沢めぐり とひとつの傘に入りながら、帰路についていた。 突如として、背後から地面を強く叩いた音が響く。 雨音ではない、何か重い物が頭上から落下したような音。 ――振り向いてはいけない。 そう勘が告げていたはずなのに。 それ以上に、好奇心が勝ってしまった。 雨に打たれているソレから、血溜まりがリアルタイムで広がっていく。 光一も、めぐりも、血に塗れた女子生徒をよく知っていた。 夢見レイナ―― 彼の幼なじみにして、彼女の親友だったのだから。 そしてレイナが屋上から落下してきた、数日後。 自殺か他殺か、それとも事故なのか…… それすらも分からない現状。 レイナは生死の境を彷徨いながら、目を覚ます様子はない。 幼なじみの突然の出来事に、焦燥する光一とめぐり。 しかしそんな ふたりの前に、病院の治療室で眠っているはずのレイナが現れる。 驚くふたりに、いつもと同じような能天気な声でレイナが告げた。 「いやぁー、死ぬかと思った」、と。 生霊として ふたりの元へ戻ってきた幼なじみ。 しかし、事故当日の記憶は失っているらしく、落下した原因は不明なまま。 失くした記憶を取り戻せば、レイナの意識が戻る。 そう考えた 3人は、レイナが屋上から落下した原因を探ることを決意するのだった。 3人の恋と、3人の罪。 3/3の想いが交錯し合い、蜘蛛の巣のように絡まっていく。 それが白日の下に晒された時、彼と、彼女はどういう決断をするのだろう?
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