本編

#470
梅雨の合間、少し控えめな日差しが桜並木を縫って湿った石畳を優しく照らしている。昨夜の雨に濡れた桜の青葉が雫をきらきらと光らせながら、鮮やかな緑色を透かして揺れている。校舎までの短い桜並木に、少女達の黄色い笑い声と軽い靴音が弾むように響いている。その光景は、とても清純で美しく、清々しい。 でも…どうしてボクが通わなきゃいけないのっ?! 鏑木財閥の御曹司で、文武両道・天稟の才があるけどちょっと気の弱い男の子。そんな瑞穂のもとへ、ある日顧問弁護士が訪れる。 『先だって亡くなられたお祖父様の遺言です』 そう言って渡されたのは、なんと女学院の入学案内。幼なじみ・まりやの趣味で女装を強要させられたあげく、無理矢理転入させられた女学院では、なんの間違いか全校生徒の憧れの的『エルダー・シスター』に選出されてしまう。 突然嵐のように降って湧いた、お嬢さま学院での大騒動!!瑞穂は一体どうなってしまうのか…?!

#1690
三年前に死に別れた最愛の妹。 あるはずのない再会から始まった「ゆかり神社」での不思議な共同生活・・・・。 人とはちょっと違うモノが見えてしまう以外はごく普通な主人公。しかしそれゆえ、世間から異端の目で見られることも多く、彼の唯一の救いは妹の「こま」の存在だった。 ・・・しかし、その「こま」は今はいない。 主人公を守るため3年前に死んでしまったのだ。人生にちょっと疲れて訪れたひなびた田舎町、生業としている絵をのんびりと描く地を探してやってきた。そこで出会ったのが古い寂れた縁結びの神社。その縁結びの神社に祭られている御神体は死んでしまった「こま」に瓜二つだった。縁結びの神、である「由(ゆえ)」は主人公の願いである妹との再会をかなえるため、ご進退にこまの魂を封じ込めこまは再び主人公の前に姿をあらわす。 そこに主人公を兄と慕う許婚「燕子花 こりす 」や刀の精やメイドの幽霊などおかしなメンバーが自然と集まり、共同で暮らすことに・・・・。 片田舎の寂れた神社で突如訪れたにぎやかな家族のような生活をはじめる主人公。しかしそんな主人公を思いがけない出来事が襲う事になるのだった・・・・。

#3860
『今を切り捨てることでしか手に入れられない明日』 それは、魔法と壮大さに満ちた世界で綴られる切ない恋のおはなし―――。 太陽神に見守られ、数多の妖精達と共に在りつづける町。王国辺境に位置するマグランでは、今年も収穫に向けて更なる豊穣を祈願する大祭の準備が進められていた。出稼ぎに出た若者達もこの時ばかりは町に戻り、穏やかな太陽の下、町は次第にざわめきの中へと包まれていく。街角には子供達の手による妖精リウ・ニスの案山子も据え付けられ、あとはその当日を待つばかりとなりつつあった。 高い魔術適性を有する"月の子"としてこの世に生を受けた主人公ミルディンは、自らが引き起こしたとある一件により、幼い頃に故郷マグランを離れていた。その後は王都での生活を余儀なくされていたミルディンだが、しかし期せずして、数年ぶりに故郷の地を踏むこととなる。故郷の海風は懐かしく、街並みは変わることなく、友人達はどこまでも優しく彼を出迎えてくれた。しかし月の子である彼の帰郷は全ての人々に望まれたものではなく――。
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